目覚め



ヨーガで心の性質を学ぶまでは、全くの無知でした。
感覚が直ぐに対象に結びついては苦い思いをしていました。
以前までは、心とは親切心などの温かく善良のものだと思い込んでいました。

でも、改めてよく見ると、普段の心はかなり落ち着きがなく、イライラ、カリカリ、喜んでみたり悲しんでみたり少しも落ち着きをみせることなく、浮き沈みを繰り返していました。
そして親切心でしたと思っていたことが、実は利己的なものだったということが多々あったのです。

今までしてきたヨーガとは、アーサナとプラナヤーマです。
呼吸に合わせて身体を動かすことにより、身体がほぐれて滑らかになりなんともいえない境地で、身体が軽くなって心がすっきりと晴れ渡るのでした。
そして、何か不調があるたびに、断食をして治していました。
それが50歳を境にして効かなくなったのです。

ひどい花粉症に悩まされ、挙句の果ては首まで痛めてしまい、何をしても効果はありませんでした。

激痛から逃れたい一心で、「心は同時にいくつものことを捉えることができない」という性質を思い出し、何か没頭できるものを探してみました。
それは直ぐに見つかり、手作業を開始しました。
お陰で、裂織り、染物、ドライフラワーにお茶碗といろんなものが出来上がりました。
そして痛みはというと、それが、手を動かしている間は鎮まっていたのです。

このことで、「心は一つの事しか捉えることができない」ということがよく分かり、結果、集中することの大切さを学んだのです。

そして感情面からみてみると、イライラしたり嫌なことがあると痛みが増し、自然豊かなところでゆったりしている時は、痛みが軽くなっているのです。
まるで痛みは心のリトマス試験紙のように反応して、いかに心のさざ波を沈めるか、これが非常に大切なことを識りました。

この経験をもとに、あちらこちらへと飛び回る心を穏やかにして、一点に集中させ、自分と外界の隔たりを取り払うことで、高い次元へと繋がり本来あるべき方向への軌道修正ができたような気がします。

これはまさにヨーガの目指すところ「チッタ・ブリッティ・ニローダハ」ここに集結されるのでした。
心のさざ波に気付き、それを鎮めて止滅する方法が、ヨーガの中にちりばめられているのです。

今回の身体のトラブルは、自分は身体であるという意識から、身体を支えているエネルギー(プラーナ)や心の方に意識をチェンジさせるきっかけをくれました。

これからは、荒れ狂う心を躾け、心を最良の味方にする方法をヨーガで学び、幸せに生きていきたいと思います。


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